効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地球温暖化と原子力発電 

原子力発電が稼働中にCO2を排出しないのは発電設備としては好ましいものです。しかし、原子力というもの自体、ウランという原子の中に閉じこめられているエネルギーを地球表面に持ち出すのです。化石燃料を使ってエネルギーを得るのは、地下に埋設されていて地表面のエネルギーバランスには関係なかったものを地表に持ち出すことがCO2排出によって増強されているということだと思います。その意味で、原発は大量のエネルギーを新たに地球表面に持ち出していて、これから世界での建設数が増えれば、地球表面のエネルギーバランスは大きく崩れるのではないかと考えています。地球温暖化ガスの中にはメタンなどもありますが、工業化社会が生まれるまでの長い歴史の中でそれらの温暖化ガスもひっくるめてエネルギーは地表面で循環していたはずで。CO2はそれ自体が問題ではなく、地球表面のエネルギー蓄積量が人間の作る出すエネルギーによって異常に増大して気候条件のバランスを崩しているのではないでしょうか。
そう考えると、原子力から排出されるエネルギーは単位面積あたりの密度から見てすさまじいものですから、地球温暖化と気候変動を招くことは確実だと思うようになっています。原発にはそれに加えて事故の後遺症が極めて大きい可能性があることと、使用済み燃料処理についてまだ課題が解決していないなどの問題があります。この辺りについては技術に対する過度の信頼が生物社会の循環を崩壊させるのではないかと思っています。