効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エネルギー革新技術開発20の研究テーマ

昨日太陽電池の変換効率向上技術の商品化について語ったが、今日の新聞に経産省太陽電池発電効率を4倍にするなどの国家プロジェクトを発表したと出ている。主なものとして太陽電池発電効率を4倍にして発電コストを7分の1にする、超電導送電によって送電ロスを3分の1に、省エネ住宅で空調エネルギーを半分に、燃料電池車で白金代替触媒を使い低コスト化、石炭火力発電所から排出される二酸化炭素を回収・貯留する、白熱灯に比べて発光効率が6倍以上の次世代照明、が新聞で紹介されている。2008年度から研究開発を本格化し、初年度は約800億円を投じて、その後はさらに増額するという。
太陽電池で言えば、昨日取り上げたような集光もあるが、発電セルに当たった光ができるだけ反射しないようにすることも重要だろう。コストダウンには、シリコンの使用を極力絞るほか、シリコン以外の素子で製造にあまりエネルギーを使わないものの商品化もある。照明についてはLEDとELの製造コストが下がれば、効率の点では十分目標に達しているので普及するだろう。どれだけ照明としての品質を自然光に近づけることができるかも課題となる。超電導送電はあまり身近にあるものではないが、温度をマイナス200度ほどに下げると電気抵抗がゼロになる材料を電線にするのだが、直流送電を使うことで一層効率が上がる。常温で超電導を示す材料が見つかればさらに良いのだが。白金代替触媒を使う燃料電池車は、高温で作動する固体酸化物電解質燃料電池をうまく応用できれば解決しないかなと思う。作動温度もエンジンの作動温度レベルにまで下がってきているようだし。
いままで、発電時に二酸化炭素を出さない原子力発電で地球温暖化対応をしようというのが政府の方針の中心だったが、やっと効率化が中心部分に登場したなという感じだ。それぞれの効率化効果は量的に見れば少ないが、蓄積されれば量は増える。原発のように故障はしないし、安全性についてもまず問題はない。そして何よりも良いのは、おそらく短時間で実用化できるということだ。建設に10年以上要する原発を待っているよりも、まず効率化のテンポを速める方がずっと得策だろう。