効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電設備の信頼性

韓国の現代重工業は12日、米国の再生可能エネルギー専門企業「マティネ・エナジー」から太陽光発電所を受注したと発表した。12年末までにアリゾナ州に計17万5千キロワットの発電設備を建設するもので、単一の太陽光発電所としては世界最大級の出力となる。一括請負方式(EPC)で設計、設置、試運転までを担う。契約金額は7億ドル(約596億円)。太陽光分野では、韓国企業として初の米国進出となる。
この報道から推察できるのは、日本の太陽光発電設備メーカーは世界での競争でどんどん力を失っているということだ。生産規模でもどんどん世界の順位を落としている。円高も大きく足を引っ張っているだろう。これまで日本のメーカーも現地生産をする方向にはあるが、どうも後手後手に回っているように見える。もう技術力だけでは勝負できない段階になっている。
太陽光発電設備は一旦設置するとほとんど故障せずに稼動すると思っていた。ただ、その例外は発電された直流を、系統に流すために交流に直すパワーコンディショナで、10年ほどすると故障するとは聞いていた。これが故障すると何十万円かするから痛手になる。しかし、電池部分は半導体だし、電池を直列、並列に連結させる配線は高度な技術が必要なものではないので、20年ほどの耐久性があると思っていた。しかし、産総研の調査で、パネル部分の故障も結構あると発表されている。産総研は、NPO法人特定非営利活動法人太陽光発電所ネットワークの協力を得て、国内で設置された住宅用太陽光発電システム257件の発電性能や保守履歴を調査した。設置から10年以内に太陽電池パネルを一部でも交換した事例は、34件(13%)に上ることが分かった。国内大手メーカーは「10年保証」を掲げ、期間内に出力が10%低下した場合に無償で交換に応じている。この基準に多くのパネルが抵触した格好だ。パワーコンディショナーはさらに不具合発生率が高い。部品交換を含めると、10年以内に43台(17%)が交換されているという。
この数字を見ると、信頼性、耐久性も商品特性として重要になるようだ。海外メーカーの製品がどのような耐久性を持っているかを調べる必要があるが、この辺りが日本のメーカーとして優位性を出せる部分かもしれない。産総研は故障箇所を簡単に見つけ出す技術を開発している。これも組み合わせて優位性を出してほしいものだ。