効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大阪の地殻構造

近鉄奈良線阪神電車と相互乗り入れしたことによって、奈良と神戸の時間距離が大幅に短縮され、乗客数も大きく伸びている。平城遷都1300年祭の行事へ来られる人たちにとっても便利だろう。
これと同じような改善が京阪電鉄でも見られる。京都から大阪に入った京阪の終点は淀屋橋だった。これをロイヤルホテルや中之島センタービル大阪国際会議場があるビジネスセンターと結ぶ路線が新たに建設され、これまで交通の便が悪かった地域が一挙に便利になった。この路線は全部がトンネルでできている。かなりの難工事だったとは聞いていたが、この地域の地殻構造の変動に対応するためにトンネルは柔軟性のある金属で結ばれていることを今日の新聞報道で知った。
大阪城のある上町台地の周りは昔海だったし、その後の地面上昇によって湿地帯になったのだ。上町台地の下には古い地層があって活断層になっている。その周辺は新しい地層で、古い地層の動きがあればずれを起こす可能性が高い。淀屋橋から中之島までの路線を造るトンネルはまさにこの新旧二つの地層を横切っている。だから、地殻変動があればトンネルが崩壊する可能性がある。その可能性をできるだけ小さくするために、トンネル構造を柔らかな接合材で結んでいるということだ。
この地殻構造を知ってトンネル建設を諦めるのではなく、対応する技術を開発したというのは素晴らしい。今度この路線を利用するときにはこの事実をかみしめてみよう。土木技術に派手さはないが、生活の基盤を支えている。いまダム工事の妥当性などが論じられているが、新しい技術の応用ができないか、新たな発想を組み込む余地があるかもしれないなどと考え始めた。