効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

Q-Cells

ドイツの太陽光発電パネルメーカーであるQ-Cellsが破産を申請したという情報が海外から入ってきた。ひょっとすると、と思ってはいたが、ドイツの太陽電池産業にも大きな影響を及ぼすだろう。ドイツが固定価格買取制度(FIT:Feed in Tariff)を充実させて、当初日本が世界のトップであった太陽光発電の設置規模を追い抜いたのだが、FITの恩典をもっとも享受したのは、製造コストが低い中国の太陽電池セルメーカーだった。FIT導入の初期には国内産業の活性化に直結していたのだが、最近では設備市場のほとんどを中国など海外メーカーの取られてしまったらしい。これも影響して、ドイツはFITの買取価格を大幅に引き下げているのが実情だ。日本がこの7月以降にFITを導入するが、国内産と輸入品との間に適用の差を設けることはできないから、シャープを始めとする国内太陽電池メーカーが輸入品に負けて市場から撤退するということも考えられないではない。太陽電池の場合には、安かろう悪かろうではなく、性能差はあまりないと言われる。また、寿命も変わらないから、国産のパネルを設置する積極的理由もなくなる。設置工事のコストと精緻さで差を付けなければ、輸入品に負けてしまうことになる。米国でも既に、政府の支援を受けていたメーカーが破産しているから、中国製が世界を制覇する可能性もないではない。どこで差別化するか、日本のメーカーに頑張って貰わないと、日本経済の活性化に向けた推進力は小さくなってしまうだろう。液晶テレビの二の舞にならないことを願っている。