効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再生可能エネルギーを中核エネルギーに

EUでは、風力発電を中心とする再生可能エネルギーを、これまでのように補完的なエネルギーではなく、中核エネルギーとして考えようとする意見が多くなっているという。昨年はEUにおいて新設された発電設備の総容量の中で、再生可能エネルギーによるものの比率がもっとも高かった。ただ注意すべきことは、発電能力であって発電できた電力ではなく、風が吹かなければいくら発電能力が大きくても意味がない。太陽光発電についても曇りばかりでは発電量は落ちてしまう。しかし、EU諸国は2020年にはエネルギーの20%を再生可能エネルギーにしようという目標を達成しようと努力している。その主力は風力発電で、今後は洋上風力発電に主力が移行するだろう。この段階で再生可能エネルギーを中核エネルギーに考えようということは、風力発電だけでなくバイオマス発電や海流発電など発電が制御しやすいものも含めて考えるとともに、スマートグリッドを広くEU諸国で共有し、蓄電技術も導入することによって補完的位置づけを変えようとしている。
その基盤にあるのは、ある欧州の論評によれば、エネルギー自給率が50%しかないEUとすれば、変動する風力発電を中核的エネルギーとして増強することが、エネルギー安全保障の観点から必然だとしている。エネルギー自給率が一桁である日本でどうしてこのような考え方が出ないのだろうか。日本のエネルギー白書にはエネルギー自給率計算に原子力発電を国産と想定した場合という数字が出ている。これはつじつま合わせの発想以外のなにものでもない。しかもそれでもEUの数字にはるかに及ばない現状を考えれば、日本として再生可能エネルギーの位置づけをもっと真剣に議論すべきだと思う。日本国民そのものが平和ぼけの脳天気だといわれても仕方がないのではないか。