効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

保水セラミック

NHKのテレビ報道で、水を大量に吸収するセラミックが開発され、最近のように大量の雨が降るときに下水道で吸収できない余剰分を吸い取ることによって被害を少なくできるというのを見た。大きなお餅のような形をしている。発想の面白さに感心した。その後、その水はどこへ行くのかと考えていて、晴れたら自動的に蒸発するのだから下水負荷を増やすことにならないのも良いことだと思うと同時に、水が蒸発するときには周囲の熱を奪うからヒートアイランドの抑制にも使えるなとも感じていた。
8月2日の日経に同じ発想の商品化が報じられていた。INAXが吸水性の高いセラミックをビル屋上に設置し、温度上昇を抑える技術の実用化に森ビルと共同で取り組んでいるそうだ。直径3〜4センチメートルで円錐状の保水セラミックをビルの屋上に敷き詰める。このセラミックは体積に対し6割程度の雨水を吸収でき、10日ほどで放出する。水分が蒸発するときに周囲の温度を冷やすため、屋上の温度を下げられると報じられている。設置コストは1平方メートルあたり2〜4万円というから安いものではない。
NHKで報じられた大型の吸水セラミックのメーカーは知らないが、印象では一種の廃物利用をしていたように記憶する。使用目的は違うのかもしれないが、大きな餅型のものをビルの屋上に置いても、重量さえ考慮すれば使えるのではないか。INAXのものは多分外観も良いものなのだろうが、もっとコストの安いものができないだろうか。そうすれば打ち水効果があちこちで利用できそうだ。いま平城宮跡を訪問する人は影のない広いところを歩くので暑さに閉口している。建物の一部には霧を吹き出して少し涼感を出しているが、このようなセラミックを一部の区域に設置して水をまいてやれば、ぬかるみを出さずに水まき効果を発揮できるかもしれない。