効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

技術力

8月1日に掲載したつもりだったが、何かの手違いだろう、今朝チェックしたら出ていなかったので一日抜けてしまった。残念。
NTNはカナダで、ボンバルディアから新型路面電車(LRT)の車軸用軸受け(ベアリング)を初めて受注した。2011年から量産と納入を始める。受注金額は11年からの6年間で2億円規模とみられる。NTNの車軸用軸受けは日本のN700系新幹線にも採用されている。主力の自動車向けに続く新たな柱として鉄道など産業機械向けで攻勢をかける。
日経新聞が報じている小さな記事だ。
これは日本がこれから核にすべき技術分野だと思う。ボンバルディアは幾つものベアリングメーカーの製品を比較見積もりしたはず。そして鍵となったのは価格ではなく、精度、耐久性といった路面電車の安全性と密接に関わる技術性能の優位性ではなかったか。円高が日本の輸出にマイナスであるし、円安に変わることが長期的に予想されていないだけに確信できる。この性能はパテントで保護されているような技術ではなく、軸受けの素材の組み合わせ、製造にあたっての温度制御、鍛造の仕組みなど、いわゆるノウハウという部分が支配しているはず。そのノウハウが日本の新幹線で実証されているのを海外車両メーカーが評価したのだ。お見事と言って良いのではないか。
これから新幹線や地下鉄、路面電車といった交通機関が世界に普及する。そのメーカーは海外にも多い。日本の車両メーカーが価格競争に負けることはあるだろう。しかし、その車両の基幹部品に日本のメーカーの製品が採用されれば、少しでも日本の産業を維持できることになる。NTNの軸受けは風力発電にも使われ、今後耐久性が問題となる洋上風力発電でも成果を出してほしいものだ。
いま宇宙から帰還した「はやぶさ」を見に行く人が多くて3〜4時間の待ち時間が必要だそうだ。「はやぶさ」に組み込まれた制御システム、通信システム、イオンエンジンなど、厳しい試練を受けた技術が同じような競争力を生むものになることを期待している。