効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ノーベル賞候補「精密重合」 

今日の報道記事で知ったことだが、化学品の分子構造を制御する「精密重合」技術を、様々な製品開発に応用する産学連携の動きが進んでいるということだ。微細なブラシで機械部品の摩擦を100分の1以下に――。京都大学や大日精化、日清紡ホールディングス、NOKなどが精密重合を使う新しい表面処理技術の実用化に取り組んでいる。実用化では日本が先行しており、研究で追い上げる中国などに差をつけると紹介されているが、その差は思うほど大きいものではないかもしれない。

自動車やモーター、航空機、風力発電機などの回転して動く部分に摩擦はつきものだ。表面をきれいに仕上げても微細な凹凸が残り、潤滑油でも摩擦は防げず、部品はすり減る。摩擦による経済損失は日本だけで年間15兆円を超すという。小さいエネルギー損失でも、それが積み上がると膨大になるということだ。

研究チームは京大の辻井敬亘教授らの成果を基に、部品の表面で化学反応を起こして摩擦を減らす技術の確立を目指している。部品表面にブラシのように長さ数百分の1ミリメートルの微細な毛を無数に並べた構造を作る。表面がこすれず、摩擦が大幅に減る。その実現に欠かせないのが精密重合技術だと、この記事で紹介されている。

NOKや空調機器製造の東芝キヤリア川崎市)、鶴岡工業高等専門学校などが評価し全体で技術を改良する。摩擦の低減効果は「乗用車を手で押しても数十メートル滑る」(鶴岡高専の上條利夫教授)という。手術ロボットや航空機、人工関節など高価でも高機能の素材が求められる分野に3年後の実用化を目指す。これが実用化して、普通の工作機械の軸受けなどにも応用されれば、摩擦熱で失われるエネルギーを大きく減らせることになる。

精密重合は1990年代半ばに、日本と米国の大学で、それぞれブレークスルーとなる技術が生まれた。世界の化学会社が実用化研究に取り組む中、2006年に世界で初めて量産したのはカネカだ。住宅の窓枠などの隙間を埋める充填材に応用することに成功している。JSRは半導体製造用の感光樹脂(レジスト)、大塚ホールディングス傘下の大塚化学大阪市)は高精細液晶テレビに使うカラーフィルターなど、日本企業が次々と機能性化学品に応用し、国際競争力につなげた。複数の製造工程を1つにまとめられ、コストの低減につながる。ユーザー企業と化学会社、大学が連携することで、必要な機能を実現する分子の設計などの開発が進みやすくなるという。

今後の応用分野の拡大に期待したい。

 

 

 

 

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