夕刊を眺めていて、今日書こうと思っていたことを変えた。ソニー子会社のソニーコンピュータサイエンス研究所が、太陽光発電などの自然エネルギーを活用してAV(音響・映像)機器を稼働させるシステムを開発したという。主に電力系統が整備されていない発展途上国向けに、地域で必要な電力をその場でまかなう分散型システムとして実用化を目指すと書かれている。自然エネルギーからの電力をリチウムイオン電池に充電する。このシステムの実証試験では、ガーナでサッカーの試合を大型スクリーンで上映した。昼間に500ワット級の太陽光パネルで発電し、夜に蓄電池からプロジェクターなどに電力を供給した。約4時間の充電で2時間強上映できたそうだ。
これは発展途上国ではない先進国で利用が拡大するとも考えられる。蓄電池を備えた住宅も販売されようとしている。大和ハウス系のエネサーブが小工場や店舗向けの非常用蓄電池のレンタルを始めている。蓄電池の利用が当たり前になりつつある。そして、アイドリングストップ用に使う鉛蓄電池の性能向上も進みつつある。電池はリチウムイオン電池でなければならないというものでもない。要は、直流を使うときの標準規格を早く設定することだ。まだ直流ソケットの規格もない。配線の安全規格もない。ないないづくしなのだ。規格さえ設定されれば、これからの建物には大小を問わず効率の良い直流で供給することが標準になり、交流は例外的に現場で直流から作るようになるのだと考えている。その時代は意外に早く来るかもしれない。そうなれば、伝統的な電力供給網に頼らない建物も実現する。蓄電池の信頼性さえ高まれば、多少高くてもエネルギー自立を好む人は多いかも。