効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■中古蓄電池の再利用

九州電力などは、トヨタ自動車九州フォークリフトで使用した中古蓄電池を再利用し、太陽光発電の余剰電力の受け皿に活用する実証事業を2019年中に始めると報じられている。フォークリフト用には性能が不十分になったリチウムイオン電池を、太陽光発電の余剰電力を使って充電するのに再利用するものだ。蓄電池ベンチャーのNExT-e Solutions(ネクスト―eソリューションズ)が開発した技術を利用してリチウムイオン電池の再利用を図る。まずトヨタ自動車九州の宮田工場の電動フォークリフトに装着し、約1年使用する。その後、九電傘下の九電みらいエナジー保有する大牟田メガソーラー発電所(福岡県大牟田市)内に設置する。

九電は現在、晴天が予測されて太陽光の発電量増加が確実視される場合、前日に各発電所へ出力制御指示を出している。現時点では殆どが電話なりEメールで行われているようだ。これによって大牟田メガソーラーでは出力制御が必要になっても、再利用電池に余剰電力を蓄えられるシステムを用意し、エネルギーを有効活用できるようにする。大牟田メガソーラーは3,000kWの規模だから、蓄電池も相当の量を確保してテストする必要はあるだろう。九電傘下の太陽光発電所だから意のままにテストできることになる。ハイブリッド車の蓄電池はニッケル水素のものが主流だが、この中古品でも十分利用できるはずだ。この方が市場には多く出回っているし、廃車になる、あるいは、蓄電池を取り換えるものも増えてくる。それを再利用できるとすれば、極めて有効な方式となる。

中古蓄電池の価格次第では、家庭用に利用することも実現するだろう。これを出力制御に利用するのが拡大すれば、一種のVPPにもなるはずだ。九電としても、太陽光発電だけでなく、事業用や家庭用に中古蓄電池を再利用できる方向に拡大させれば、太陽光発電からの余剰電力をかなり吸収できるようになるはずだ。九電が需要家に貸し付ける形をとり、その充放電を九電が制御できるような方式も実証することを期待したい。