効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツのフィードインタリフ改訂が決定

ドイツの再生可能エネルギーによる発電を電力会社に高く買い取らせるフィードインタリフの価格が引き下げられた。審議されているというのはこの前に書いたことがある。
あまりに早く太陽光発電設備の価格が下がったために、これまでの買電価格では設置者に利益が出すぎるというので、引き下げが審議されていたが、結局2段階に分けて引き下げることになった。この結論は今週の月曜に発表された。ドイツ議会と連邦政府の間で綱引きがあったのが調整されたと報道されている。今年の7月1日にさかのぼって、屋根設置のものには13%引き下げ、空き地に設置したものは12%、土地の利用目的を変更するための平面に設置されるものは8%それぞれ引き下げられる。この3つの引き下げは、10月1日からさらに3%引き下げられることになっている。7月1日から農地への設置については全ての補助をカットするという方針は変更されることなく、当初の計画通り強制実施される(内容がちょっと分からないが)。
連邦政府の発表では、2010年の第一四半期に71万4千キロワット太陽光発電が設置された。これは2009年のペースの10倍に相当する。2010年に入ってからの市場動向は、人為的な促進策と引き下げ策という外部要因の影響を受けていると言われ、その実像はまだよく分かっていない。予想では、この引き下げがあっても市場がだめになることはないとされる。8月までにはまた設置数が増えるが、年の後半は小規模なものが牽引するだろうと言われている。
日本の報道ではフィードインタリフに欠点があるから変更されるというように述べられることもあるが、実際は20年ほどで投資を回収できるようにしていた買い取り価格が、設備のコストが急激に下がったために、数年で回収できるようになったのを修正したと解釈すべきものだ。フィードインタリフそのものはまだこれから世界に広がっていくだろう。