効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

三菱電機の停電時対応システム

三菱電機は強風や地震で主要な送電線にトラブルが起きても、すぐさま電池に切り替えて電気を送り続ける電力網の新システムを開発したと日経新聞が報じている。送電線の先に大型蓄電池を設け、電気が届かないときは蓄電池が発電所に代わって10〜1000世帯に1週間以上給電する。発電所の事故にも対応し、復旧を急ぐ間の大規模な停電を防ぐということだ。100世帯をカバーできる蓄電池の規模でれば1〜3億円かかる。ここで疑問は、この100世帯をどのように選び、どのように接続させるかだ。個々の住宅や事務所、工場の希望に応じて設置するのでは、その希望を見つけるだけでも難しいだろうから、電力会社の希望に沿ったものとならざるをえない。その時に電力会社がこの地域という絞り込みをできるだろうか。自ら供給の安定性がないと言っているようなものだから。
停電が昼間であれば主に太陽電池から、夜間は蓄電池から電気を送る。停電発生後10〜20分後には送電を始めるが、蓄電池はリチウムイオン電池などを想定し、太陽電池発電所の電気であらかじめ充電しておく、ということは、太陽光発電からの電力を集約できなければならず、もし山間僻地であれば、誰が設置した太陽光発電設備を使うのだろうか。この場合電源は直流だから、交流に変換して流すときに変換損失も発生する。電力会社にこのような必要性があるのだろうか。また、必要性を認めるだろうか。高層ビルや工場などのようなまとまりがある場合、また、停電による経済的ダメージが大きい場合、それへの保険として電力会社が準備するのなら意味があるだろう。しかし、この記事によれば、ある広さを持つ地域を想定しているようで、商品としての価値を見つけにくい感じがする。だが、興味を惹かれるシステムであることも確かだ。