効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートグリッド

今日の午後、入院している高齢の母を見舞いに行った。95歳だから間もなくだろうが、意識はまだはっきりしている。忙しい予定の合間を見つけて出かけたのには理由がある。自分が書いた本が出版されたので、実物を見せにいったということだ。題名は「よくわかる スマートグリッドの基本と仕組み」で秀和システムが出版社。1500円+消費税。このような本を母が理解できるはずはないが、息子の名前が表紙に出ている本を手にして貰うことができたのが嬉しかった。原稿を書いている時には、ひょっとすると間に合わないのではと心配していたからだ。もっていった本は、母の世話をしてくれている弟が持って帰った。いずれ分かりにくいとか何とかコメントがくるだろう。このスマートグリッド、新聞にも毎日のように報道されている。しかし、意味が概ね分かりにくい。自分が書いたもので意味がとれるとは言はないが、文系の人間として、技術的な面もかみ砕く努力はしたつもり。
このスマートグリッドについて、昨日のDaily Yomiuriの記事と、自分が受けた米国からの情報に気になる書き方があった。米国が、International Smart Grid Action Network (ISGAN)を創設することを計画しているというニュース。ISGANは、米国がスマートグリッドの標準化と新しいエネルギー事業分野で指導的立場に立つことによって、米国のエネルギー市場を拡大しようとするものだという。この7月19−20日にワシントンDCで開催されるクリーンエネルギーに関する閣僚会議で発表の予定だそうだ。メンバー国は米国以外には公表されていないが、韓国とイタリーがコアメンバーになると想定され、日本も参加を検討している“筈”とある。
韓国は大統領がスマートグリッドを世界市場で3割のシェアをとるビジネスに育てると公言しているし、イタリアではすでにスマートグリッドの要であるスマートメーターが3千万個とほとんどの世帯に取付済み。日本は理念ばかりが先行していて具体的な日本全体の進む方向が示されていない実態がこの記事に出ているのだろう。下手をすると日本がスマートグリッド分野でビジネス拠点を築くことができない可能性がある。今日の日本の新聞に出ていないか探したが、少なくとも日経と毎日には出ていなかった。読売新聞には出たのだろうか。ウエブで検索した限りでは出ていない。このニュースに日本の新聞社の外信部は重要性を感じなかったのだろうか。