効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自然エネルギー市民の会で

土曜日なのに、というよりも土曜日だから開かれた自然エネルギー市民の会の年次総会と学習会に出席するため、土曜日にしては早く起きて大阪まででかけた。家を出たときにはそれほどではなかった雨が、会場がある大阪歴史博物館に着いたときには土砂降りになっていた。地下鉄の駅から少し離れている博物館へ歩く間に傘の間から吹き込むような雨。これは会合が終わってもまだ続いていた。
午前中に総会が終わり、昼から学習会。最初はこの会の代表、和田 武 元立命館大学教授から世界の再生可能エネルギーの動向を聞いた。その中で印象的な話しはインドでのバイオマスの内容。バイオマスエネルギーは食糧と競合するし、原料を育てる場所を作るために原生林が破壊されるというのは避け難いと思っていた。先生が紹介したのは、インドの荒れ地に育つヤトロファナンヨウアブラギリ)。この種から油がとれて、バイオディーゼル燃料になるということ。油だったら食糧ではないかと思ったら、この油は有毒物質を含んでいて食糧にならないのだそうだ。しかも、これは食糧になる植物が育たないような荒れ地を好むものなので、細かい手入れも要らないそうだ。これをアフリカなどに移植する計画も進展しているが、森にもならない荒れ地に植えれば良いから自然破壊にもなりにくいという。このようなバイオマス原料なら、途上国の新しい産業に育っても、環境破壊に繋がる可能性はゼロではないかもしれないが小さいだろう。
次のスピーカーは原発反対運動を進めているアイリーン・美緒子・スミス女史から、原発はCO2排出削減に貢献しない、特に短期的な対策としてはほとんど効果がないという話しを聞いた。その中で、オバマ政権が原発建設のために政府の債務保証を行うことになったが、米国が原発建設に方向転換したと考えるのは正しくないという話しが印象的だった。オバマ大統領はシカゴを政治拠点とするが、シカゴのあるイリノイ州の電力はほとんど原発から来ていて、オバマ氏の支援組織の中に原発保有する電力会社も入っていることを知っていなければならないという趣旨の話しだ。これから米国では中間選挙があり、ついでオバマ氏自身が再選を狙うとすれば、原子力推進業界の反対を招く政策をとることが政治的には望ましいことではないことはよく分かる。自分がつきあっている米国のエネルギー業界の人も地域住民の反対も強いから、本当に着工できるかどうか分からないと言っていた。オバマ氏の選挙基盤のシカゴが原発都市であるという知識を得たのは有り難かった。