効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

驚かされたレーザー技術

今日の毎日新聞が次のように報じている。『奈良県橿原考古学研究所橿原市)と測量会社「アジア航測」(東京都)は、航空レーザー計測で、前方後円墳2基の高精度の三次元測量図を作製した。西藤清秀・同研究所部長らが26日、関西大であった日本文化財科学会で発表した。宮内庁天皇や皇族の墓として立ち入り制限している陵墓や陵墓参考地の地形情報が得られ、古墳研究に役立つとしている。2基は、御廟山(ごびょうやま)古墳(堺市、全長200メートル)と、コナベ古墳奈良市、同204メートル)でいずれも陵墓の可能性がある陵墓参考地。』
記事だけだとそれほど驚かなかったかもしれないが、写真で出された御廟山古墳の測量図が、前方後円墳の基礎構造を模型のように示しているのが実に印象的だったのだ。想像で描いたものだといわれても疑わないほど原型が測量されている。1000数百年前の古墳が見事なほど現在まで保持されているということだ。天皇や皇族の墓としてこれまで発掘どころか測量も十分なされていないから、ほとんど詳細が分からなかったそうだが、表面だけだとはいえ科学的なデータが得られたのは素晴らしい。
レーザー光を古墳の上空500〜650メートルから一秒に12万〜18万発照射している。樹木に覆われていても、葉の隙間から地表面に到達したレーザー光を識別して正確な情報が得られたと報じているが、おそらく隙間ではなく、レーザー光のエネルギーが大きいために葉を透過して地表面で反射したものだろう。当然葉っぱの透過によって反射波には歪みが出るから、それをどれほど補正するかに技術が発揮されたのだと推測する。
覆い被さっている植物の陰になったものを見つけ出すのに利用できるとすれば、他の分野でも力を発揮するのではないだろうか。アマゾンの原生林の下にある古代文明遺跡などもこれで正確な測量ができるはず。良い事業になるに違いない。