効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽電池コストの低下

世界的に見て、太陽電池セルのコストは確実に低下を続けていて、欧米では系統電力料金よりも安く発電できるようになっている地域もある。ただ、太陽光発電設備を設置するのには、設備本体に加えて、設置用の部品とか労務費が合理化によって低下しなければ、システムとしてのコストはこれから下げ止まるかもしれない。しかし、セルの製造コストはまだまだ下がる余地があることを教えられた。大学で太陽電池の製造コストを大幅に抑える研究が進んでいて、京都大学大阪大学などは製造費を半分以下に抑える技術をそれぞれ開発したそうだ。5年後にも実用化するという。京都大学野田進教授らは光をとじ込めるナノテク技術「フォトニック結晶」を太陽電池に応用した。発電効率を保ったまま電池の厚さを従来の4分の1以下の500ナノ(ナノは10億分の1)メートルに抑えた。実現すれば、その分材料を節約でき半額以下の製造費ですむ。大阪大学の傍島靖助教らは安いアモルファス(非晶質)型シリコンで太陽電池を作った。製造費は結晶型シリコンの数分の一になる。シリコンでセルを作るのは高くつくというこれまでの常識を破ったのだ。奈良先端科学技術大学院大学帝人と共同で、レーザーを使っての製造法で、従来法よりコストが半分になる技術を開発した。今の日本では太陽光普及施策の効果が出過ぎたために混乱が起きているが、長い目で見れば、蓄電池のコスト低下と合わせると、その市場は中国製品を抑えながら日本製品が伸びるのかもしれない。