効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自動タップ付き変圧器

電信柱の上に着いている変圧器は、末端の需要家に適切な電圧で電気を供給できるように設定されている。住宅向けであれば一つの変圧器には数件の家が繋がっている。その家の電力消費が変動すると、それに従って変圧器からの電圧は変動する。消費量が下がれば電圧は上がるし、消費が増えれば電圧は下がる。その電圧変動の範囲は規定があってその範囲に収まるように調整されている。ところが太陽光発電が導入されるようになると、晴天の日にはそこから電気が変圧器に向かって流れる時も出てくる。そうするとその変圧器が供給する電圧が上がりすぎる場合もあって、時には太陽光発電のパワーコンディショナーが設定した電圧よりも高くなって、発電が止まることもある。これを防止するには変圧器のところで電圧が下がるような設定をしなくてはならない。これまではこの設定変更を手作業でやるのが普通だったようだ。
この設定変更、いわゆるタップ切替を自動的に行える変圧器の商品化が相次いでいる。変圧器の一次側の電圧と二次側(需要家に繋がる側)との変圧比率を、二次側の電圧を常に監視するセンサーを取り付けて、スイッチを切り替えるのだ。この切替音を耳障りにならないようにしたという記事もある。今後太陽光発電設備の設置が増えるのを予想した商品だが、従来のものより価格は当然上がるはず。ただ、設定変更に今までであれば人が派遣されていたのが必要なくなるから、全体としての労務費は下がるだろう。その効果を勘案すると、これから政府施策としても促進される太陽光発電設備の増加に対応する業界の動きは速いなという印象だ。
次は、変電所から出る6千ボルトや6万ボルトの系統電圧が上がったときに、余剰分を余裕がある他の系統に流せるようにするかどうかに興味がある。太陽光発電が増えれば、この方向に向けた動きも出ると思う。それとも蓄電池を設置して電圧の上がりすぎを吸収するのだろうか。