効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオディーゼル燃料を自作

あるフォトジャーナリストが、廃食油から作ったバイオディーゼル燃料(BDF)だけで世界を一周してきたという記事を読んだ。驚いたのはそのBDFを自作の装置で製造、しかもその装置を車に積んで世界一周したということだ。四輪駆動車の荷台に精製装置を積んでいる。メタノールを入れてある装置に廃油を注ぐと24時間後にはBDFができるとのことだ。BDFでディーゼル車が問題なく走ることを確認してからガソリンスタンドに一度も寄らずに世界を一周しようと決意したというから、無謀ともいえる凄さだ。車載用の製造装置も自作しているのも写真が出ていなければ信じられないほどのことだ。
2007年12月に東京から船で出発し、08年12月に帰国している。カナダから北米大陸を横断し、欧州、ロシアも走破している。廃食油を行く先々でレストランなどから手に入れるとはいえ、貰える油が全て材料として使えるものかどうかは分からない。その記事にも、米国の廃食油にはラードなどが入っていて凝固したそうだ。
もともとディーゼルエンジンは燃料の品質が変動しても許容度は高いはずだから、粘度を下げることに重点があるはず。Wikipediaによると、「油脂にメタノールと触媒を加えてエステル交換反応を起こし、これに酸を加えて中和させたうえで、脂肪酸メチルエステルとグリセリンに分離させる。分離した脂肪酸メチルエステルを水洗処理して触媒を取り除き、さらに蒸留処理をすることでメタノールを除去したものが、バイオディーゼル燃料となる」とある。水が必要だし、触媒の除去、蒸留もある。ということは加熱する必要がある。自動車の上でこのプロセスをこなしたとすれば、かなりの熟練が必要かもしれない。しかし、世界一周をした事実は、この設備が商品化できる可能性を示唆している。事業にはならないのだろうか。