効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自動車用軽量素材

今朝の日経によれば、「東レと独ダイムラーは自動車用の炭素繊維材料を共同開発する。2012年を目標にダイムラーの高級乗用車「メルセデス・ベンツ」の車体部材に採用、将来的には外装材など他の主要部品に拡大していく。年間数万台規模を販売する量産車に炭素繊維が使われるのは初めてで、鉄、アルミに続く自動車用素材として本格的に普及する可能性が高まってきた。」ということだ。東レダイムラーと組むというところに少し驚いている。日本のメーカーのほうが、ボディーを全部炭素繊維素材にすることに熱心だと思っていたからだ。自動車は強度と安全性を落とさずに重量を減らすことが至上命題。
東レがフランス工場で生産する炭素繊維の原糸を使い、樹脂と組み合わせた複合部材の開発に取り組む。全世界で年間3万台の生産を見込むベンツの上級車種「SLクラス」の一部車種の構造材に使用、ダイムラーの欧州拠点に供給する。メルセデス・ベンツは超重量級だし、価格が多少上がっても炭素繊維を主材料にする方が軽量化のメリットは大きいかもしれない。これに対して日本の自動車メーカーはどうするだろうか。あるいは鉄鋼産業はどう反応するだろうか。自動車用の薄板は高度の技術がないと作れないとされていたが、韓国や中国の追い上げで国際競争も激しくなっている。そこに薄板自体の需要が減る事態が時間の問題になってくるかもしれない。薄板の製造と炭素繊維の製造とでは、エネルギー消費はどれくらい差があるのだろう。その面からも評価してみないといけないかもしれない。自動車のプラスチック化による軽量化を昔から主張し、自分でも設計に取り組んできたロッキーマウンテン研究所のエモリー・ロビンスはこのニュースを喜ぶだろう。彼に知らせてやろう。