効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ミドリムシでバイオ燃料

新日本石油東京大学発のベンチャーと組んで、ミドリムシを原料とするバイオ燃料を量産する事業に乗り出すという。5年以内に量産技術を確立し、まず航空機の燃料に使用する。食料となる素材を使うものと違って、農地がなくても原料を効率的に生産できることに着目したもの。ベンチャー企業ユーグレナは培養技術をすでに確立している。長さ約0.1ミリのユーグレナから油分を抽出する。ユーグレナはプールや池があれば培養でき、その生産性はサトウキビを大きく上回るという。コスト的には従来の航空機用燃料より少し高くなるようだが、環境価値を加えると市場はあるだろう。
英国のレポートで、バイオマスの利用拡大推進は地球環境を破壊する側面があることを指摘したものがあった。木材を利用するとしても、需要に応えて森林が破壊される可能性もあるし、新たにバイオマス用の畑などを作るために原生林を伐採したりすれば、プラスマイナスで炭酸ガスの排出量は増えるし、その地域の気候環境を変える可能性もあることを述べている。確かにそのとおりだ。ユーグラナなどの藻類を使うのにも別の配慮が必要だろう。大量に生産するには大量の水を確保しなくてはならず、それを自然の水域に求めるのは難しいだろう。水タンクを集めた工場にするとすれば、それだけの面積を確保しなければならない。ただ、面積確保を透明なタワーで確保できれば、後は太陽光をどれだけ効率的に集めるかによって生産効率はきまるだろう。この方が一般的な環境に対する影響も少ないだろうから、新日石の事業が成功することを期待している。
さらに言えば、ユーグレナをそのまま乾燥させれば、家畜の優秀な飼料となるはずだ。コストがどのくらいになるか分からないが、飼料のほとんどを海外、主に米国に頼っている状況を改善することは国としても重要な課題だから、この事業も検討して欲しいと思う。