効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

床発電システム

Jリーグ1部(J1)の神戸は、本拠地のホームズスタジアム神戸で、観客が跳びはねるなどして起きる振動を利用した「床発電システム」導入に向けたテストをこの7日に行ったと報じられている。応援を楽しむためのきっかけ作りの一環だという。楽しみながら発電ができるということが実証されるのは技術的には当然のことだが、それがどのくらいの発電量になり、また装置自体がどれほどの耐久性を持つかの実証は、しばらく使った結果を見ないと何とも言えないが、面白い試みだと思う。
神戸サポーターが結集するゴール裏の12席に発電装置を設置。キックオフから試合終了まで約2時間の発電量は、100ワット電球を約1分半点灯できる程度だったと日経の記事にはある。とすると2.5ワット時という計算になる。ところが、毎日新聞の記事によると、一般家庭の一日の使用量を少し下回る8,400ワットとなっている。これがもし8,400ワット時を意味するとすれば、どうも間違いではないだろうか。8.4キロワット時をこの実証機で発電することができたとすれば、12人の人間の脚力だけで実用的な発電ができることになるからだ。
しかし、日経が報じる2.5ワット時でも効率よく蓄電することができれば、そして、40センチ角の発電シートを全席に取り付けたとすれば、実用的なものができるかもしれない。この発電コストは高いものになることは確かだが、これで入場者が増えれば、これに投資することが利益に結びつくかもしれない。いま同じ方式の発電装置が確か東京駅のどこかの改札に設置されてNEDOが試験しているはず。神戸の装置で発電された電気は、多分キャパシターにまず蓄えられてから普通の蓄電池に移されるのではないだろうか。最近、リチウムイオンキャパシターで蓄電容量の大きなものを見せて貰ったことがあるので、案外実用的な方式が見つかるかもしれない。交通量の大きいところで車に踏ませると、信号機の電源の一部になるかもしれない。この実証は4月以降規模を拡大するというから、またその結果を報じてほしいものだ。
ここまで書いて念のためにネットで毎日新聞の記事を探してみた。写真に4,839という数字が出ていたからだ。すると、ここの記事では8,400ワット秒となっている。奈良版の記事が間違っていたのだ。これであれば約2.5ワット時になる。一般家庭の一日の使用量を少し下回るという記述はネットの記事にはなかった。どこかで間違った解釈が加えられたのだ。