効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

波力発電

波力発電装置を開発する米国のオーシャン・パワー・テクノロジーズ(OPT)は現在、米海軍の支援を受け、巨大な波で知られるハワイ諸島沿岸で、試験的な発電を実施、実用化を目指している。OPTが進める波力発電の仕組みは、高さ16メートル、直径14メートルの大きなブイを海に設置し、波によってブイが上下する点を利用する。発電した電気は、海底ケーブルを通じて送電する。ひとつのブイで住宅20─25軒が利用できる40キロワットが発電できるという。これはCNNが報じたものだ。このように大きなブイを設置すると周囲からよく見えるだろうから、何か他の役割も兼ねておかないと、景観問題も出てくるかもしれない。航路標識にも使えると良いのだが、航路は波が静かなところに設定されるから発電がうまく行かないだろう。陸から遠くに置くと海底に電線を長々と引くことになり、設置コストが高くなる。日本の場合であれば、漁業権への対応も課題となるかもしれない。ただ、うまく設計すれば魚礁にできるかもしれない。
OPTは現在、米国西部のオレゴン州で、さらに発電効率の良いブイを試験的に設置する計画を立てている。新しいブイでは、100メガワットの電力を供給できるという。この規模の発電ができるのであればかなり有効かもしれない。しかし、設備が広い海面に一杯広がるとすれば、新たな問題も起きるだろう。英国でも波力発電が実証試験されているはずだし、潮流でタービンを回して発電する方式が本格的に開始されるとも聞く。海底への固定がうまくできれば、日本でも黒潮の流れで発電できるかもしれない。風力や太陽光と違って、常に潮流はあるから発電は安定しているし、再生可能エネルギーとして風力や太陽の不安定性を補うものになるかもしれない。荒唐無稽な話ではないことは確かだ。できることは何でもやらなければ温暖化ガスの排出を抑えることは難しいのだから、可能性のあるものは手当たり次第にやることも必要だろう。