効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

海洋エネルギー利用

政府は2014年度から、波や潮の力による海洋エネルギーを使った発電の実用化を目指す取り組みを本格化すると今日の新聞に報じられている。やっと踏み切ったかという感がある。沿岸部が長く、日本が占有的に利用できる海面面積が大きいのに、これまで政府政策として本格的な発電資源として対象になってこなかった。週内に都道府県を対象に、民間企業と連携した実証実験に使う海域の募集を始め、14年2月中に選定する。漁業者との調整を自治体が仲介し、大手企業だけでなく中小・ベンチャー企業再生可能エネルギーの関連産業に参入するのを後押しするということだ。
浮体式も含めた洋上風力発電潮汐発電や波力発電、さらには海面と海底の温度差による発電などだが、必ずしも沿岸から遠いところに限らないはず。流れの速い海峡は幾つもある。これが全て発電に利用できるとは限らないが、設備から熱や汚水が出る訳ではない。魚礁になる可能性もある。問題はこれらの発電から陸上までどのように送電するかにある。この送電線敷設コストを発電事業に負わせると事業の継続性は全くなくなるケースが多いだろう。海外諸国では政府資金も大量に投入されている。
海面の利用については関係者が幾つかあって、その中では漁業権が一番先に挙げられる。次には船の航路の安全性だろう。これまで関係先との交渉は事業者がせざるを得なかったのを、自治体に計画させる方針のようだ。
海外では、スコットランド自治政府が20年までに波力・潮力発電を実用化し、100万キロワット(原子力発電1基に相当)以上の電源確保を目指しているという。同北部のオークニー諸島には海洋エネルギー発電の世界最大の実証実験施設「欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)」があり、世界の波力・潮力の発電機の半分以上の実験をこなす。日本からも実証試験に参加している企業もあるはず。今後の歩みがどうなるかが注目される。