効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ABBが地中・海底送電システム容量拡張

ABBは、直流送電用XLPE(架橋ポリエチレン)絶縁ケーブルでは世界最大電圧となる52万5千Vの地中・海底送電ケーブルシステムの開発・試験に成功したと報じられている。送電容量は約260万キロワットで、送電損失を5%以下に保ちつつ、1500キロメートル超の長距離送電を実現している。ケーブルは従来の32万Vから64%の大電圧化に成功しており、直流送電用のXLPE絶縁ケーブルでは世界最大電圧となる。送電距離も従来の千キロメートル以下から1500キロメートル超へと、より長い距離に対応した。当面北海の洋上風力発電からの電力を陸上に持ってくるのに使われるだろうが、相対的に見たコストも下がるようだから、大容量化と長距離化は世界に新しい市場を開くだろう。高圧直流はこれまで、分岐したり中途で接続するにあたって切り離しが難しかったのだが、ABBだけでなくSiemensもそのブレーカー(遮断機)の開発に成功していると聞くから、かなり柔軟に直流ネットワークが構築できるかもしれない。何度もここで述べている高圧直流海底送電が日本で実施できるかもしれない。洋上風力に加えて、やっと日本で実証試験が始まった潮流、潮汐発電などもこれに載せることができれば、日本東西の周波数の違いを乗り越えることは難しい話ではない。日本海側と太平洋側のどちらが長距離海底電線の敷設に適しているかを調査し始めても良いのではないかと思う。