効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新しい系統制御

三菱電機は、太陽光発電の大量導入に備え、配電系統の最適な潮流を高速計算するシミュレーターを開発したと報じられている。配電系統の末端までの電圧をリアルタイムで把握。適正範囲を逸脱する場合は、電気式給湯機や電気自動車(EV)などの需要家機器を活用して最適化する方法を瞬時に割り出せる。この意味は、電力の供給が不足して電圧が適正範囲を外れたときには、系統から信号が送られて電気式給湯器の稼働を止めたり、EVの充電を一時的に止めたりすることだ。スマートグリッド(次世代送配電網)を支える解析技術の一つとして、電力会社の集中制御システムへの適用を目指し今後提案を強化するという。しかし、電力会社の集中制御システムに集約されるとすれば、その制御の支配下に入ることが前提になる。それだけ制御プログラムが複雑になるはずだ。電力会社はいやがるだろう。地域単位で自動的に制御する分散制御を構築することが必要ではないかと思う。これにはスマートメーターの設置が広がらないといけない。日本の送配電系統の制御はITで自動制御されている部分が欧米に比べて多く、スマートになっている。しかし、精密に組み上げられているために、その一部でも変更すると、その影響が広く及ぶ可能性がある。欧米では発電所を持たない電力供給事業者も多いから、送電系統の制御は独立した組織が担当している。だから、制御が分散された形になっているし、またITによる制御が日本ほど普及していないそうだから、三菱電機の開発したような技術を歓迎するはずだ。だが、それは欧米の重電メーカーも事業機会として狙っているはずだから、日本の企業にとって参入は難しいだろう。早く欧米企業と手を組むことを考えたほうが良いように思う。
日本の場合、太陽光発電だけしか言われていないが、欧米では風力発電の変動を吸収する制御に比重がかかっている。日本も風力導入を重視しないと、日本企業が世界で仕事をすることが難しくなる。日本に市場が生まれないからだ。