効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再生可能エネルギーの出力変動の調整

太陽光発電とか風力発電は気候の条件で出力が変動することが送電系統の制御をむつかしくしている。そのために普及しないと日本では言われてきたが、それは多分に余計なことをしたくない電力会社の姿勢を反映したものだったと思う。だが、 2018〜20年の電力システム改革の第3段階では、送配電部門の法的分離とリアルタイム市場の創設が行われる。一般送配電事業者は、市場を通じて調整力を確保し、需給バランスを維持する必要がある。電力広域的運営推進機関の調整力等に関する委員会では、調整力の資源として、蓄電池やデマンドレスポンス(DR)が想定されている。蓄電池はまだ普及の緒に就いただけだから、規模の大きなCHP(コージェネレーション)などを利用して、系統側の要請に応じて出力を上げたり下げたりさせて、調整力に使うことが望まれる。欧米ではこの調整をデマンド・レスポンス(DR;調整指令に応じれば、その規模に従ってお金が支払われる)で行うのが一般化しているが、日本ではこれからだ。では日本のDR潜在量はどの程度あるのか。電力中央研究所が、製造業など全国の大口需要家を対象に、発動を要請された場合に、自家発電/生産プロセス/空調機器を用いた予備力供給型DRへの技術的な対応可能性について郵送アンケート調査を行い、同DRの潜在量を試算したところ、平均145万キロワットという数字が出ている。調整手段ごとに見ると、自家発電が最も有望であり(保有件数の約5割)、発電出力調整によって需要抑制・造成の両方に対応可能。3時間以上継続可能とする回答が多く、長時間にわたり調整力に活用できるという。このDRを効果的に行えるように、これから送電系統の制御が対応できるようなシステム開発が必要となる。日本には日本独自の条件もあるから、全面的に可能となるには時間がかかるだろうが、これなしには、再生可能エネルギーの普及は望めない。