効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

甲子園球場に太陽光発電設置(続き)

数百キロワットの太陽光発電設備が来年に稼働するということは、今はその規模の電力を関西電力から購入しているということだ。改修工事ということだから仕方がないのかもしれないが、この電源はお日様さえあれば雨でも僅かながらでも発電してくれるので、それだけ昼間の空調などに対応した発電をしてくれるから、うまく考えれば受電設備を小さくしたりすることができたかもしれない。受電設備は従来のものを使っているとすれば、昼間は受電設備に余裕が生まれて、発熱も防止できて寿命も延びるはずだ。また、関西電力からここまでの配電線にも余裕が生まれる。その分他にできる新しい負荷があっても配電線容量を増強する必要がなくなるかもしれない。
甲子園球場としての電力負荷が昼間は下がるから、送配電ロスもそれだけ下がる。球場全体の電力需要はこれより遙かに大きいだろうから、逆潮流は多分起きないだろう。とすれば、送配電網に対する不安定要因にはならない。この地域へ電気を供給している変電所で昼間の負荷が少し下がることになる。変電所のトランスの負荷も下がるし、電圧調整のタップ切り替えも回数が下がって、スイッチの寿命も延びるかもしれない。このように全体のメリットを積算していくと、電力会社にとって案外大きなものとなる可能性がある。また、系統に連系するのはインバーターを介しているから、そのつもりで設計すれば、その地域の無効電力や高調波などの制御もできるかもしれない。これはアンシラリーサービスと呼ばれるもので、海外ではこのサービスを電力会社が買うとも聞いている。どのような価値があるかは、その地域の電力品質を調べないと分からないが、これから太陽光発電が普及するときには、その価値を積み上げると意外に大きくなるかもしれない。