効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

有機廃棄物の利用拡大か

電炉と農業事業を手掛ける朝日工業が3月から肥料原料にトンコツを使うそうだ。大手ラーメンチェーンが廃棄する年間約500トンのトンコツを全量買い上げ、粒状の有機肥料に加工する。消費者の安全意識の高まりで、有機肥料の需要は高まる一方で、原料が不足しているために、この手法で肥料事業の拡大につなげるということだ。大手ラーメンチェーンとしても、これまではおそらく産業廃棄物として処理し、コストがかかっていたはず。これを少しでもコストを安くできるなら有り難いだろう。しかも廃棄量が安定しているのは、原料として使う側から見れば安心して使える。もし有機肥料だけを商品として供給するならば、需要に左右されることもあるが、自前の農場で使える部分が大きければ安定した事業になる筈だ。このような提携が広がれば、ゴミが価値の大きいものに変化する。
同じような事業で、オリックス不動産が自社で所有するホテルや旅館が排出する食品残渣を対比歌詞、農産物を育てて宿泊客に提供する食品リサイクルに乗り出すという。これはホテルオオクラが永年実施していることだから、最初ではないとはいえ、これが他へ波及することが望まれる。第一弾として別府温泉杉乃井ホテルが地元企業と連携して、堆肥で育成したトマトを調達するリサイクルに着手するとのこと。ホテル内にある飲食施設からの廃棄物処理コストを抑制する。
堆肥は重量があるために、使う農場の近くで作るのが望ましい。また、食品廃棄物も堆肥工場まで運ぶ必要があるので、近い方が良い。堆肥工場はそれなりの広さも必要だし、臭気も出るので市街地では無理。食品系ゴミを堆肥にするのが理想であるような論がよくあるが、全体システムとして検討すると無理があるケースがほとんどだ。朝日工業の粒状有機肥料でも加工工場は臭気対策などが必要だろう。いずれにしろ、管理が行き届いた所からの廃棄物でないと、それから作る肥料の安全性を確保するのは難しい。それを克服してしかも収益性がないとこの事業の永続性は担保されないはずだ。このような課題を克服して、利用の拡大が定着してほしいのはやまやまなのだが。