効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国が記録的な風力発電設置

米国風力発電協会はこれまで2009年には経済状況の悪いこともあって、風力発電の設置は2008年の半分にまで減るだろうと予測していた。ところが、実績はその予想を裏切って、過去最大の設置が行われたと発表している。その数字は9,922MW。昨年夏に補助金が投入されたのが効果を発揮したのだと言われている。この数字は設置量を39%押し上げたことになり、2009年末における総風力発電設備容量は35,000MW(3,500万キロワット)。過去5年間の増加率も39%となった。
この設置容量は天然ガス発電の新設容量と肩を並べるところまで来ている。この2種類の発電設備で昨年の新設容量の80%に相当するとしている。オバマ大統領が昨年発効させた米国再生・再投資法が極めて有効に働いたことによって、地域に多くの雇用が生まれたとこの協会は述べている。ただし、米国の風力発電設備メーカーは必ずしも恩恵を受けなかったようで、2008年を下回るタービンの売り上げしかできなかった。協会は米国政府が海外メーカーに製造設備を米国につくるようなインセンティブを準備すべきだと望んでいる。
州単位で見ると、いつもトップを占めるテキサスが2009年にも首位を走り、現在総設置量は9,410MW、次いでアイオワ州が3,670MWとなっている。カリフォルニア州は3位で2,794MW。その他の州などについてはこの情報を得たところの図表のコピーを見てほしい。
テキサス一州にこれだけの量が稼働しても、風力発電の不安定さによる大きなトラブルは報告されていないようだ。この州は他の地域との連系容量が小さい孤立した地域だとしてよく知られている。最近になって大型蓄電池の設置も検討されているようだが、系統制御でしのいでいるのだから日本も見習うべきだろう。