効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の風力発電賦存量

日本風力発電協会はこのほど、国内における風力発電潜在的な導入可能量を算定して公表した。全国の陸上・洋上で風速など一定の条件を満たす場所に風車を設置した場合、合計で約1億3300万キロワットの導入が見込まれるという。実態に即して土地利用区分を見直し、適地面積を再計算した結果、前回(07年)算定時の8100万キロワットに比べ大幅な増加となっている。この算定では、まず風車の建設適地面積を算出した。年間平均風速毎秒6メートル以上の適地のうち、土地利用区分上の「森林」を従来は除外していたが、現実には多くの風車設置実績があることから算入した。着床式洋上風力についても、水深を30メートル未満から50メートル未満に見直したことで、建設適地面積が拡大した。適地すべてに風車を設置した場合の賦存(ふぞん)量は13億5600キロワットと膨大になるが、現実的な社会条件や風速を考慮。適地面積に対する開発率を陸上が15%、着床式洋上が20%、浮体式洋上が5%と設定した。この結果、風力発電の導入ポテンシャルは合計1億3300万キロワットになる。風力発電協会は2050年の長期導入目標として、日本の電力需要(電力量)の10%以上の供給を掲げる。このために必要な風力発電設備容量は約5千万キロワットになるという。
以上は電気新聞に出された記事を丸写しにしたものだが、これだけの風力発電は現在の送配電系統を前提にすればその半分も受け入れられないだろう。しかし、これを受け入れるようにすることは技術的には可能で、どうすればもっともコストを引き下げることができるかが課題になる。いままでは電力会社の系統に手を入れることは極めて難しかったが、地球温暖化対応の重要性が増してくれば、政策的な準備も含めていわゆるスマートグリッドをどのようにして日本に導入するかを検討する必要があるだろう。日本では太陽光発電のことしか語られないが、風力のオプションももっと議論されるべきだと思う。