効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■米国テキサス州に大規模蓄電池

テキサス州風力発電設置規模は全米最大。それも、全米風力発電協会が出している2018年の数字で24,899MWで、2番目に大きいのが隣のオクラホマ州が8,072MWだから、断とつと言える。しかもテキサス州は送電系統が周辺とほとんど連系していないため、風力発電が電力需要ピークの時に風がなくなった時など、工場などに操業を落としてもらうような制御をして凌いできた。

だが、つい最近入ってきたBlombergの資料によると、風力に続いて太陽光にも注力するために、非常に大きな495MW規模の太陽光発電を、2021年に稼働させるべく着工したのだが、それには同じ規模の蓄電池が設置されるということだ。テキサス州の送電系統を制御しているElectric Reliability Council of Texasの発表によると、これを加えた総規模が2021年に584MWへ跳ね上がることになった。カリフォルニア州のPG&Eが設置をすると発表している567.5MWを総量では上回っている。また、PG&Eは山火事を起こしたとして起こされた訴訟で、破産法チャプター11を申請する状況に追い込まれたので、蓄電池設置が実現するかどうか不確かになっている。テキサス州が世界最大規模の蓄電池を運用する状況が続くのだろう。

テキサス州当局によると、石油と天然ガスの掘削作業向けの電力需要が増加しているのを風力と太陽光発電の増強で対応しようとしているのだが、それにはどうしても蓄電池の設置が避けられなくなったということだ。だが、同州に豊富に産出する天然ガスによる火力を増設することが計画されなかったのは、CO2排出量を増やさないという方針の具体化なのだろう。

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