効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

非効率火力発電所の効率化

東京電力五井火力発電所を最新鋭の高効率火力に更新する。ここには現在6基のLNGに燃料を転換した発電機が稼働していて合計出力は188万6千キロワット。初号機は建設からすでに46年以上経過していて、経年劣化もあってリプレースする。2013年度をめどに廃止・撤去を開始し、新たに五井1号系列(第一軸〜第3軸)として’21年度から’23年度をめどに運転を開始する計画になっている。新プラントでは3軸とも熱効率61%を実現する最新鋭のMACC2を採用し、合計出力は213万キロワット(71万キロワット×3軸)となる。タービン燃焼温度は1600℃。MACCとはMore Advanced Combined Cycleの略で、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた改良型コンバインドサイクル発電のことだ。現在の発電機の発電効率は40%くらいだろうか。大幅な効率アップによって炭酸ガス排出量の削減効果も大きい。
どの電力会社にもこのように年をとった火力発電所がある。これを五井のように最新のものに取り替えることによって地球温暖化対応も効果的に行える。ガスタービン発電は出力を変えることが迅速にできるために、大規模風力発電太陽光発電の出力変動を補正するのにも極めて有効に機能する。これから自然エネルギーが導入される規模が拡大するのだから、このような柔軟で高効率な発電設備を作る方が温暖化対応として有効ではないか。政府や電力業界は原子力発電建設のことばかりいうが、立地や建設に時間がかかるし、確実に建設できる保証もないものに力を入れるのが本当に良いのだろうか。LNG化石燃料であることは確かだが、石油よりも埋蔵量は多いし、炭酸ガスの排出量は化石燃料の中ではもっとも少ない。新規ガス田も発見されているし、当面は供給の不安もないだろう。その間に原子力に頼らないエネルギーシステムが導入されるかもしれない。楽観的すぎると言われるかもしれないが、地震国に原発を導入する楽観論よりも安全ではないだろうか。