効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鉄分3倍の米

白米の状態にしても鉄含有量を従来の3倍に高めることのできる稲を、東京大、石川県立大、韓国とデンマークの大学が共同研究で開発した。遺伝子組み換えの技術の成果だ。貧血症のマウスがこの米を食べると回復することを確認している。世界保険機構によれば、世界人口のほぼ半分が鉄欠乏による貧血症とされる。多分これは貧しい国の人たちだけではなくて、我々の周辺にも普通に見られることかも知れない。いわんや途上国の悲惨な上京の子どもたちの支援をしているユニセフ活動に関わっている者としては、大いなる関心を抱かざるを得ない。
植物は土壌中から鉄を吸収して利用する。鉄と結びついて稲の根から穂へ輸送するアミノ酸「ニコチアナミン」の合成能力を高める遺伝子を稲に組み込んで鉄の輸送能力を強化したのだそうだ。稲のニコチアナミン合成量が従来の9.6倍に増え、玄米、白米とも鉄濃度が従来の約3倍になったという。栄養成分が玄米に多く行くのではないかと思っていたが、そうではないらしい。このような品種を日本で多く栽培するようにすれば、健康食品として世界的に評価されるのではないか。遺伝子組み込みの安全性についてはよく分からないが、それに問題がなければ日本の農業を活性化することができるかもしれない。ニコチアナミンは全ての植物に存在するのだという。同様の手法で他にも鉄分が豊富な作物を作ることは可能だというから食品関連で大きな貢献ができるものになる可能性がある。
大豆の遺伝子組み換えで病害虫に強いものができ、それによって耕作面積あたりの収穫量が増えたのだが、日本ではそれを拒否している。おそらくこの品種と従来種の交配も起きるはずだから、いつまで組み替えしない純血種を守ることができるかなと最近思うようになっている。この記事に触発されてあらためて考えている。