効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

デジタル自動車運行記録計

ヤマト運輸が2010年度から全ての配送用車両にデジタルタコグラフの搭載を始めるとのこと。各車両の速度やエンジン回転数などの記録を集めてデータを分析し、ドライバーに低燃費走行を働きかける。長距離輸送に使う大型トラックから短距離用の軽自動車まで約4万7千台が対象だというから徹底している。ヤマト運輸は10年度にCO2排出総量を02年度比で1%削減する目標を持っていて、事業拡大を勘案すると宅急便一個あたりで排出するCO2を30%削減するのに相当するという。
20年以上も前に自分が使っていた乗用車にリッターあたり何キロ走れる状態かを示してくれる表示器がついていた。最初は余計なものがあると思っていたが、いつもその数字が気になるようになった。そこで、スピードを落とすときや坂道の下りに差し掛かったときに、速度を調節するつもりでアクセルを少し押すのではなく、完全に足を離してしまうと、短時間ではあるが燃費が飛躍的に良くなることを発見した。当時の自動車は、アクセルから完全に足を外してもエンジンへのガソリン供給は最低回転を維持できるだけの量が供給されていた。だが今の自動車はある程度の速度で走っていればアクセルから足を離すとガソリンの供給が絶たれるようになっている。その状態が明確に表示されるようになれば、自然に効率の良い走りになるアクセル操作をするようになるはずだ。そして、デジタル情報を処理するソフトをうまく応用して、上手に走っていますなどと音声で褒めるなどをすればドライバーはさらに燃費を良くしようとするだろう。その結果を後で解析すれば、燃費を良くする新たな方法も分かってくるに違いない。いままでの丸い紙のチャートに線で記録されるアナログ方式のものに比べると、データ処理の仕方によっては飛躍的な改善法が見つかる可能性もある。このような改善の積み重ねによって燃料消費量が下がって経費削減となり、企業の収支も改善し、かつ炭酸ガスの排出抑制にもつながるということが実証されれば、このシステムを採用するところも増えるだろう。ヤマト運輸のように最初にトライするところは、初期投資が大きくならざるを得ないが、それでも中長期的に見て損にはならないという結果を出してほしいものだ。