効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

橋梁の寿命

今日の毎日新聞一面トップに出ていたのが、「大丈夫か日本の橋」という記事だ。それだけ重みのある問題だとは思う。橋の耐用年数は50年とされ、その後架け替えが必要となるが、いま国も自治体も財政難で新規に建設するだけの金を出せるところは皆無といっていいだろう。そのための積み立てをするという話は聞いたことがない。全国の橋約15万基が急速に寿命に差し掛かっていると報じられている。多くが高度経済成長期に建設されたためだ。国土交通省によると8%がすでに築後50年を超え、10年後に4分の一、20年後には半数に達する。専門家の意見を聞くまでもなく、突然の崩落がありうるのだ。07年8月2日に米国ミネソタ州ミネアポリスミシシッピ川に架かる高速道路の橋が突然崩落し、13人が死亡した事故がある。この時には、どこまでも続くと思ってドライブしている車の前の道路が突然なくなったので、車が次々に川に落ち込んだのだった。米国の高速道路自体も道路面が波打っているようなところがあちこちにあったのが記憶に残っている。日本でも同じ状況にあるのではないか。この記事の具体例として書かれているのは青森市郊外の駒込川に架かる長さ90メートルの幸畑橋。73年の完成だが、青森県道が通っていて1日平均23,113台の車が走る。台座のコンクリートが割れ、鋼材には腐食が確認されているそうだ。
これと直接関係のあることではないが、寿命40年で設計されている原子力発電所の稼働年数を10年、20年延長させようという計画が具体化しようとしている。前にも書いたことがあるが、どうも技術過信になっているのではないかという気がしてならない。原子炉の中心部は人間が近づけないのだから、安全性について入念なチェックをしていることは確かだろうが、どうしても推定で判断せざるを得ないところが残らざるを得ない。橋にも構造基礎がコンクリートにカバーされていて異常が分からないところもあると聞くが、原子炉も橋も耐震技術や腐食防止技術に対する自信過剰が災いしなければ良いのだが。