効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の木材需要

英文読売に興味深い記事が出ていた。中国で木材の価格が急激に上がりそうだという。その一つに、中国が住宅建設促進の政策を打ち出して、2012年までにそこそこの住宅を2千万平方メーター建てるのに1,410億ドルを国家予算として準備していることが挙げられている。そしてその住宅に新しい基準が設定され、たとえばそれに即した木の窓枠を準備しようとすると膨大な量をカナダやロシアから輸入しなければならないそうだ。カナダの木材業者は2010年の中国向け輸出量は2009年の倍になると見ている。2009年自体が08年の倍だったようで、国内の木材資源が払底していることもあって輸入に頼らざるを得ないという。もう一つの要因が、都市部に住む人の数がまだ総人口の4割でしかないのが、2030年までには6割ほどになるということだ。毎年2千万人が都市部に移動する。それによって新しい住宅需要が増え、そこに新しい家具を皆持ち込むはずだ。記事に書いてあるのは、1億のキッチンテーブル、椅子、ベッド、タンスなどが新しく準備されなければならないとすると、それに必要な木材の量はもの凄いものとなる。
これは世界の木材市場に大きな影響を与えるのは確実。日本も外材に大きく頼っているので、その価格が高騰することになる。いままで国産材は価格競争で外材に負けていて、それが林業を疲弊させたといわれているだけに、中国のとんでもない需要が長く続くとすれば、日本の林業再生の起爆剤になるかもしれない。いま平城遷都1300年祭のメイン展示として遣唐使が使った船を再現中で、全部吉野材を使っていると報じられている。何とか奈良の林業を再認識して貰おうという努力だが、中国がこの後押しをしてくれることになるのかも知れない。