効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

川崎汽船が洋上LNG生産

川崎汽船天然ガスの液化を洋上で行う事業に乗り出すようだ。これは製造規模としては洋上ドック基地のサイズで決まるから、それほど大きなものにはならない。それだけに海底で見つかった天然ガス田の規模が、そこから陸上までパイプを建設すると経済性が出ないほど小さいときには救済策になるはず。そのような小規模ガス田は多いそうだから、このようなLNG製造船のニーズはあるだろう。洋上基地で液化した天然ガスは陸上の貯蔵基地まで運んでLNG輸送船で仕向地へ送るのだ。オーストラリア北西部の海域に洋上LNG基地を建設、2014年に世界で初めて実用化する。総工費は1200億円。川崎汽船が15%出資し筆頭株主のフレックスLNG(英領バージン諸島)を通じて事業化する。フレックスは洋上生産に必要な先端技術を持ち、豪州北西部沖で天然ガス権益を保有するタイ国営石油会社(PTT)グループからLNG生産を受託することで近く正式合意する見通しだ。
タイのPTT向けのLNGだが、これが始まれば日本向けでも実現は可能のはず。洋上生産が広がれば、これまで採算ベースに乗らなかった年産100万〜200万トンの中小規模のガス田の開発が可能になる。この規模のガス田は世界に2000カ所以上あるとされる。面白いのはこの洋上基地を製造するのが韓国の造船会社だと言うことだ。昔はアジアであれば日本の造船技術でなければならなかったのだが、いまでは韓国がその技術を会得し、コストは安いから日本に発注が来なかったのだろう。日本の先端技術が中国、台湾、韓国につぎつぎ移って競争力を失っていく。どうすればこのパターンから抜け出せるのだろうか。単にコストの問題ではないような気がする。川崎汽船はこの基地の運用をするのだろうが、船の運航技術がものをいうのだろうか。別に航海するわけではないから、他の国の船会社でもできそうだが、なぜ川崎汽船なのだろう。
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