効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国が中央アジアと天然ガスパイプライン

今朝は5時起き。東京で10時過ぎからスマートグリッドについて話を依頼されたので一番バスに乗って何とか間に合うことができた。その慌ただしい中で日経新聞をざっと眺めたときに、中国がトルクメニスタン天然ガスパイプラインで結ばれて、14日に操業を開始したという記事があるのに気づいた。その開通式が中国の胡錦涛国家主席中央アジア三カ国の首脳が列席して行われたようだが、それだけ重要なプロジェクトだったことを示している。このパイプライン計画は自国に生産規模の大きな天然ガス田を持たない中国が長く取り組んできたもので、やっと完成したかという感もするほどだ。中央アジアには中国の政治的影響力が強力に働くから、これまでロシアから天然ガスを買うかどうか悩んできた中国が、政治リスクを引き下げたことになり、ロシアとの購入交渉について強気になるのではないかと思う。ウズベキスタンカザフスタンを通過して全長が1800キロメートル。これは建設中の国内パイプラインに沿岸部まで輸送される。
中国がエネルギー資源の確保に向けて海外に大規模な投資をしているのが最近よく報道されている。日本と国境が接する海域における天然ガス田の開発で、その権益をどちらが持つかについて先に着手した中国が強硬な姿勢を崩さないのも、それだけ自前のエネルギー資源を持ちたいという願望からくるものだと思う。昨日パプアニューギニアLNGプロジェクトについて書いたのだが、これからこのようなガス田開発について中国と競合することが多くなるだろう。中国はすでにLNGの輸入も行っているから、世界の天然ガス資源に手を伸ばしてくることは確実だろう。もし今回の中央アジアからの天然ガス導入が順調に進み、さらに規模の大きい新規ガス田が中央アジアに開発されれば、世界の天然ガス市場の調達競合が緩和される可能性もある。そのような展開になれば、中国にとってだけでなく、日本にとっても有難い話になるのだが。