効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

直流給電に関する国際会議

知り合いから直流給電に関する国際会議の案内を貰った。この12月7日、8日に「直流給電で築く新しい社会-DC Building Power, Japan」と銘打った国際会議が東京のハイアット・リージェンシー・ホテルで開催されることを教えてくれたのだ。直流給電に対する自分の関心はどんどん大きくなって居るので、是非参加したいと思って手帳を調べたら、両日共に変更できない予定が入っている。残念だ。この種の新しい情報を入手できる機会は関西で滅多にないから、新幹線の交通費を払ってでも出かけることが多い。この会議も先約がなければ何を置いても行きたいところだ。高電圧および低電圧の直流配電、AC/DCハイブリッド配電アーキテクチャ、DCマイクログリッドなど、建物用電力にまつわるさまざまなテーマが多面的に取り上げられている。低電圧は別として、高電圧直流配電を詳しく知りたいものだ。いずれこの会議の資料をどこかから手に入れよう。
この間書いた根津美術館で使われているLED照明の場合ならば、多分照明配線の根元で交流を直流に変換(AC-DC変換)して沢山の照明に直流を供給しているはず。電圧は多分数十ボルトだろう。変換ロスの少ないDC-DC変換をして電圧調整をしている可能性もある。自分の興味で買ったシャープ製のLED電球の場合には、交流100ボルトのソケットに差し込むのだから、電球の根元でそのAC-DC変換を行っている。その変換ロスは熱になって電球自体を熱くする。LED自体の発熱もあるから結構熱くなる。もしこれが家の配電盤のところで照明回路を直流変換してやれば効率はかなり良くなるはず。パナソニック電工が交直を使える分電盤を商品化しているのはこのような使い方をするためだ。容量の大きいモーターを使う空調機や冷蔵庫、消費電力の大きいIH調理器などには低圧直流の供給電力量が不十分で使えないから交流で駆動するのだ。
ところが、シャープがオール直流住宅の実証をしようとしていると報道されている。この場合だと数百ボルトの直流を使うことになるだろう。当然のことながら、同社の製品である太陽光発電設備の有効利用をしようとするもの。これは昼間しか発電しないし、雨の日には発電量ががた落ちになるため、系統(交流)からの電気をあまり使わないとすればどうしても蓄電池が必要となる。もし蓄電池の信頼性が高まり価格がそこそこに下がれば、できるだけ自然エネルギーで生活したいという人はこのシステムを選択するだろう。蓄電池をリースにしてコストを分散すれば、それほど難しいことではないかもしれない。いつ設備を作るかはまだはっきりしていないようだが、その前に安全基準とか、ソケットの形状など規格を政府が作らなければ普及させるのが難しくなる。規格作りに必要な作業を事業仕分けで不要などとしないように願いたい。