効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

昨日の記述にコメントをいただいて

unaさんからコメントをいただきました。
「 『http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81030b02j.pdf この資料の8ページあたりをご参照ください。風力のときも同じような話をしまし たが、蓄電池は出力変動のためではなく、需要が少ない5月の休日等に太陽光発電 がフル稼働して余ってしまう電気を貯めたとしたらという仮定で、必要なコストを 算定したものです。勿論これが唯一の方法ではありませんが、電気が余る話なので 火力発電所の調整では意味がありません。」
暖冷房用の電力需要が少ない時期の休日に、日本全体が快晴で雲一つないと考えれば電気が余るかもしれませんね。しかし、もし余るとしても局地的でしょう。その時に出力を抑制できる火力や水力発電の容量がほとんどないのでしょうか。某電力会社が広報として出している資料に、原発水力発電、火力発電が昼間全てフラットに稼働していて、それに太陽光発電の出力が乗っかるようになって、ピーク需要よりも上回って余るという説明をしている図表をみたことがあります。これは火力発電がまったく需給調整をしていないのですから、余るのは当たり前です。これは厚顔無礼な広報だと思います。また、現在でも、休日に系統の負荷が下がって電圧があるレベルを超えて上がると太陽光発電は発電しないように設定されているのですから、それを前提にすれば蓄電池は必要ないことになります。また、そのような状況が全日本的に、かつ頻繁に起こる確率は極めて小さいでしょう。その時に太陽光発電の稼働を止めるとしても、全部を止める話ではないと思いますので、その方式でも良いと思います。
「この蓄電池コストは公開の研究会で説明し、議論したもので、エネ庁が電力を代弁し、などという言われ方は非常に不快です。」
資料は有難うございました。私もこのような公開の議論を傍聴したことが何度もありますが、準備された資料の追認に終わるのがほとんどで、電力事業の出す資料に反論する場にはなっていませんね。表現が不快にさせたとすればお詫びしますが、いただいた資料もかなり我田引水、問答無用的だと思います。10年、20年先のコスト算定がコストダウンをほとんど勘定に入れていないようなのも不思議です。どうして高価なリチウムイオン電池を多量に使うのでしょうか。また、需要端にある燃料電池コージェネなどと連動させて制御すれば、4兆円くらいですむという意見も聞いたことがあります。要するに太陽電池を大量に入れてほしくないということでしょう。
「 また、太陽光の連系のための課題はまだいくらでもあります。代表的なものは出力予測の精度が低いことです。精度が上がらないと火力の運転計画も立て難く、リスクを多めに見て、多くのユニットをスタンバイする必要があるので、CO2も増えてしまいます。」
天候予測が難しいということですね。多くのユニットをスタンバイするのは何も太陽光発電だけで起こるわけではなく、予測しにくい負荷変動に備え、また、不慮の事故で供給力が落ちるときに備えて、いまでも暖機空運転や半負荷運転をしている火力発電所は幾つもあります。その稼働台数が増えるのかもしれませんが、いままでの需要予測もそれほど正確ではないでしょう。CO2が一番増えるのは、予想ほど太陽光発電からの出力が出ないときに火力で補い燃料消費が増える時であって、太陽電池出力がフルであれば、スタンバイのCO2消費量の増分はそれほど問題にはならないのではないでしょうか。ただ、現在スタンバイしている火力がどのくらいかなどの情報は持っていませんので、何とも言えませんが。
長くなりましたのでこの辺りで終わります。