効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の電力需要が急速な伸び

中国国家エネルギー局がまとめた9月の全国電力消費量が、前年同月比で10.2%の増加を見せている。鉄鋼など製造業の生産が伸びたため、前月よりも増加率が2ポイント拡大して2桁台に乗せた。このような増加は日本がおそらく敗戦の廃墟から立ち直るときに見せたのと同じだろう。まだ電気が来ていない地域も多い中国だし、製造拠点を中国に移すメーカーも世界中にあるから、この大きな増加テンポはここ当分続くだろう。ということは、発電設備を増加させなければならないということだ。昨年風力発電の設備規模を2倍にしたとはいえ、基盤となるのはどうしても石炭火力依存にならざるを得ないはずだ。国内で賄えるエネルギー源は石炭しかないのだから、この需要の急増に対応するには地球温暖化ガスの排出が多い石炭依存は仕方がないと言える。それから考えると、中国が温暖化ガス削減率目標を自ら設定するというのは考えにくい。また、できるだけ早く、安く石炭火力発電所を建設する必要もあるから、排煙脱硫装置などを簡易なもので済まそうとする傾向も当然出ているだろう。それは中国だけではなく、日本を含めた周辺の諸国に地球温暖化以前の害を送り出すことにもなるだろう。
発電設備の増強をするだけでは済まない。できた電気を送る送電網を強化新設しなければならない。国を横断する高圧直流送電線の建設に着手しているのを始め、各地で大きな送配電網増強プロジェクトが進展しているはず。日本が高い技術を持っている高圧交流送電などが利用される可能性もあって、日本にとっての大きな事業機会になる側面もある。しかし、世界の電力設備事業が狙っているのだから、競争は激しいだろう。CDM確保ができるような事業を獲得できれば良いのだが。