効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

インドの大停電

インドでこの間全国的な大停電が起きたことは知っていた。しかし、13億弱の人口の内、7億人が2日間電力供給のない生活を送らなくてはならなかったと知って、日本が敗戦してからの電力不足より深刻だと理解した。ワシントンポストからの特別記事を英文読売が出したのを読むと、絶対的に発送電設備が不足しているため、1日の内に何回も停電があるようで、事業者はほとんどディーゼル自家発を設置しているという。ところが、それを稼動させるためのディーゼル油の供給も不足する事態となっているらしい。インドは発展途上国でもBRICSの一員としてこれから大きな成長を見せると期待されているが、電力供給の弱体化がその成長を大きく阻害するとこの記事は書いている。日経新聞も、インド政府は送電網の管理を国で一元化する方向に動いていると報じている。インドは各州の独立性が強く、相互支援を円滑にする体制にになっていないのだろう。電力事業は発電能力の増強にこれまで取り組んでいるが、折角建設した石炭火力発電も石炭供給が十分ではないために十分稼動できていない。インドには大量の石炭があるが、採炭設備の老朽化、ばらばらの規制によって円滑な採炭ができないなどで、今は海外から大量の石炭を輸入している。また、今回の大停電で分かったのは、電力設備増強に向けて銀行が膨大な融資をしているのが、焦げ付きになる可能性も大きくなり、インドの銀行の健全性が大きく阻害される可能性が高くなっているということだ。経済全体が大きく揺らぐようになっているのは確かのようだ。