効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鉄とアルミの複合素材

神戸製鋼所がアルミニウムと鉄を溶接で貼り合わせて、鉄だけの場合よりも重さが半分で済み、アルミだけの場合よりもコストが大幅に下がる複合素材を開発したという。金属で構造材として軽量なのはアルミであることは誰でも知っていることで、電車の類はアルミを多く使っている。物を移動させるのに必要なエネルギーを少なくするには、軽くすることと摩擦をできるだけなくすることだ。自動車がその代表で、軽くて強度のある複合樹脂も使われるようになっているとはいえ、価格が高いためかまだ鉄が主体となっている。この新しい素材を使うとその重量を大きく引き下げながら強度を保てるようだ。5年以内の実用化を目指すというから、ちょうど電気自動車が市場に本格的普及をする時代に合致する。
アルミと鉄を結合しやすくする無機化合物を使って、これまで強度を持たせることが難しかった溶接を可能にすることができたそうだ。ちょうど化学合成の触媒みたいな物だろうか。強度が高い鉄板の一種である高張力鋼板とアルミ板材を溶接し、重ね合わせたり継ぎ合わせるというが微妙なプロセスに違いない。安い鉄と高いアルミの組合せで、重量を下げ、アルミより安くしたわけだ。この素材の応用分野は広いだろうと思う。技術開発にはこれで終わりということはないことが納得できた。
マツダは従来型の内燃機を使う自動車の摩擦を徹底的に引き下げて、ハイブリッドに匹敵する燃費で走れるものを発表している。その発表記事を見たときには本当かなと思ったが、技術者の信念がこれを可能にしたのだろう。これまでこの分野は極め尽くされていると思うことが技術開発を阻害するのだろうと思う。
自動車の重量といえば、これからの正念場は電気自動車用蓄電池の重量引き下げだろう。技術開発にジャンプ的な革新が必要ではあろうが、これだけ開発に取り組まれれば、必ず新技術が生まれるに違いない。重さとの戦いがこれからさらに本格化するだろう。