効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の責任

自民党の総裁が谷垣氏に決まった。民主党政権に対抗する力を持った政党組織を再建することができるだろうか。鳩山首相が海外に向けて発信力を高めている様子を見ると、旧自民党政権時代にはできなかった、あるいはしなかったことだなという感じがする。実現性があるかないかはこれからの課題ではあるが、地球温暖化ガスの削減率についても国連総会で約束したのだから、少なくとも行動計画を示さなくてはならないだろう。そして、多分今まで経産省が示してきたような、従来方式の延長ではない方策を考えなくては実現に近づけることは無理なことは明らかだから、国民、産業界全体があらためて自らのあり方を見直すところに追い詰められたのだ。そして、少し楽観的かもしれないが、窮すれば通ずという展開になるのではないかと思える。
デンバーで一緒に食事をした風力エネルギーのアナリストが、米国での風力発電は増設テンポが若干落ちるだろうが、中国は世界トップになるだろうと言っていた。それの根拠かもしれないが、一週間読めなかった日経新聞を今日一日かけて読んでいる中に、中国が温暖化対策を拡充して、2020年を目途に非化石燃料の比率を現在の9%を15%にするという記事が24日に出ていた。国内総生産に対する温暖化ガスの排出割合も、20年を目標に05年比でどの程度減らすかを近く決める方針だという。量的な削減は発展途上国であるために数値目標を出すのは難しいが、真剣に対応するという姿勢を見せようとしていると言える。
日本が温暖化ガス排出削減目標を2020年に1990年比25%削減と高く設定したことは、中国など途上国に言質を与えないという意味では効果があるだろう。次は具体的な施策目標だ。おそらく多方面から不可能だという声が出るだろうが、小さいものを積み上げることで可能にする方策があるはずだ。石油ショックの後に来た時代に不可能だと思いながらエネルギー効率を上げることに成功したのも、それをしなければ日本の経済が成り立たなかったからだ。おそらく今も同じような状況にあるのではないか。そういう認識があるいは不足しているのかもしれないが、米国で感じた真剣さに比べると、日本は既に効率が高いという地位に甘えているのではないかと思う。