効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

デンバーでの会合(続き)

今日の会合の一つにオフィスビルなど大型の建物の空調設備などをいかに効率化するかをテーマにしたものがあった。そこでなるほどと思ったのは、最新の効率が高いものに取り替えたとしても、カタログの性能が発揮されるとは限らないということだった。カタログはある特定条件を前提にしているから、建物のある地域の気候条件や使用状態に則して入念な調整をしなければ、無駄なお金を投じたことになるのだ。その防止のためには最初に各種の測定をして全体のバランスをとらなければ本来発揮できる性能は出ないということだし、外気の取り入れ量、排出量などは、建物だけではなくて、その中で働く人や、事務機器が出す熱も大きく関係する。だから同じ設計の建物でも、内部の環境が異なれば、各種の設定が全く異なることも多いそうだ。また、最初にうまく設定をして性能を発揮していても、建物の管理者が知識を持って管理しなければ、経年変化に対応して閉めるべきダンパーを放置したり、開けたつもりのダンパーがゴミでふさがっていて外気が取り入れられなくなっている事例もあるという。このようなことに気づくためには、常に各種の計器の記録を比較して、性能の変化がなぜ起きたかを追跡するルールを作らなければ、結局効率が低下してしまって高いものにつき、投資の回収もできないケースが多いらしい。機器性能はある前提条件の下でだけ有効なのだし、メンテが極めて重要だということを改めて気づかされた。