効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原子力発電プラントの寿命

日本原子力発電は、敦賀発電所1号機(加圧式、35万7千キロワット)の40年目以降の運転を可能とする保安規定変更について、経済産業相から認可を受け、この1号機の運転停止時期を、従来予定されていた2010年から6年間延長し、2016年とする。国内の商業用原子炉で40年超の運転を行うのは初めてだそうだ。2016年は同社が準備工事を進めている敦賀発電所3、4号機のうち3号機の運転開始を予定する時期で、同1号機の運転延長によって3、4号機への移行の円滑化を図る考えだという。
これはエンジニアリング的に見て大きな問題だろうと思う。一般の大型プラントとは異なり、原子炉のように複雑、かつ炉心には高度な放射線が充満しているところの設計耐用年数を40年としていたものを、6年も運転を延長するなど言語道断ではないか。放射線による部材の劣化についても究明されたとは言えないのに、しかも、炉心部分は簡単に修理したり取り替えたりできないのだから、本来の設計運転期間が過ぎたら致命的な事故が起きないという保証は全くないだろう。それを、建設中の原発の工事遅れがあったからという理由で延長するのは、経済的な理由だけで決定されている感じがする。複雑な原子力発電プラントの安全性についてどこまで調査検討されたのだろうか。保安規定を変更すれば済むものではなかろう。潔く廃炉にすべきだと思う。これから設計寿命が来て廃炉になるものが出てくる。すでに中部電力浜岡原発では2基が廃炉になった。しかし、新規原発の建設がうまく行かなければ、延命原発を増やそうとする動きが露骨になるかもしれない。日本は安心して暮らせる国なのだろうか。