効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池の将来展望

今日一日船堀ホールの5階に缶詰で、今年度から市販が開始された家庭用固体高分子型電解質燃料電池PEFC)の市場動向に関するプレゼンテーションに耳を傾けていた。これまでは燃料電池の技術開発動向が中心のセミナーしかなかったが、今回初めて商品としての燃料電池を巡る報告がなされるので参加した。報告する人たちが全てといっていいほど温暖化対応を導入部に語ったのは、燃料電池の特性を強調するためのものではあったろうが、もう分かったという気分にもさせられた。しかし、家庭用燃料電池がまだ公的な支援が必要であるとはいえ、コモディティーとして身近に存在するエネルギー機器としての位置づけをどのようにしてこれから獲得するかを期待させられる話だった。
もう一つ、昨年度から政府のプログラムで行われ始めた700ワットの家庭用固体酸化物型燃料電池SOFC)が予想以上に商品としての実現可能性が近いという印象を受けた。単セルで試験した結果では、ほとんど劣化は見られず。それを積み上げたスタックに経年劣化が出るということだった。これは、セルの結合、積層されたスタックの温度分布の制御など、セル自体以外の要素が絡んでいることを意味している。であれば、セラミックである電池単体については、あまり心配することはないということだ。もちろんその製造コストの問題はあるだろうが、この部分は量産効果が発揮できるだろう。この冬までには自宅にこのSOFCが実証試験の一環として設置されることになっているが、多少胸が躍るほどの期待感が出てきた。楽しみだ。部品点数はPEFCに比べると遙かに少ないし、天然ガスを改質したガス中のCOも燃料になるから簡単な改質で済む。そして500〜700度という高温作動で発電効率も高いから、要素技術が確立されれば燃料電池の本命になる可能性がある。
もう少し語りたいが、帰りの新幹線の車中でこれを書いていて、ビールを飲んで眠たくなってきたので、このあたりで筆を置く。