効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

国産の大型SOFC

日本では家庭用燃料電池エネファームが実用化され、設置台数を大きく伸ばし、現在15万台程度になっている。しかし、日本の家庭に向けてのものだから700ワットクラスの規模に過ぎなかった。海外では、溶融塩を使った数メガワットの大きなものが商品化されている。日本でも来年には商業用、あるいは地域の変電所規模の固体酸化物燃料電池SOFC)が商品化されると期待され、経産省も規模の大きなものへの補助金を準備している。昨日、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、固体酸化物形燃料電池発電装置(SOFC)とマイクロガスタービンを組み合わせた複合発電システムの市場投入に向けた実証試験に乗り出したと発表したのとタイミングが合っている。実証試験を始めたのは、加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)。マイクロガスタービンの圧縮機で昇圧した空気をSOFCに供給して発電に使う。その後、高温の排気をマイクロガスタービンに送り、その熱と圧力を都市ガスとともに発電に用いる。設備内部を加圧して、燃料電池発電効率を上げている。今後は、ハイブリッドシステムの共同開発に取り組むトヨタ自動車の工場、セルスタックの量産化で提携する日本特殊陶業の工場、大成建設の施設にも実証サイトを拡大することにしているとのこと。実証機は250キロワット級で、発電効率55%。信頼性の高いものに育って欲しいものだ。