効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の太陽電池出荷増大

太陽光発電協会が、4〜6月の太陽電池国内出荷が、発電能力ベースで前年同期比1.8倍の8万3260キロワットになったと発表している。四半期としては3年半ぶりに過去最高を更新したという。国内出荷は一般家庭の約2万4千戸分に相当する。出荷の92%を住宅用需要で占めているというのは、政府が補助金を復活させたのと、地方自治体が独自の補助制度を新設・拡充したことが貢献している。さらには間もなく始まる余剰電力買い取り価格をいままでの2倍にする制度への期待もあるだろう。国内出荷はこれからも増えそうだ。しかし、輸出は欧米市場が低調で6%減っている。海外での大型発電所の建設が滞っているのと、新興国太陽電池メーカー在庫処分のため販売攻勢を強めている影響を受けたという。
この調子で国内での太陽光発電の容量が増えていって、世界でトップだった地位を取り返せるかどうか。ドイツの促進策は一定の効果を収めてその増加テンポは鈍っているが、米国の設置が急増しているのを見ると、トップへの返り咲きは難しいかもしれない。中国や韓国も追いかけてくる。日本が補助金を打ち切るという政策的な誤りをしたことが大きく影響している。別にトップになる必要はないが、これから増加する設置数について電力会社が、晴雨の影響を受けて変動することについて後ろ向きの姿勢を出さないようにしてほしいと思う。風力発電よりも太陽光発電の出力変動の方が対応しやすいはずだ。少なくとも電力需要が落ちる深夜に発電することはないからだ。また、夏の晴天時には空調需要が増えてくるが、それに歩を一にして発電してくれるのが太陽光発電だ。火力発電所の負担を減らしてくれる。系統の損失も下げてくれる。設置容量が増えればそれに応じた系統の手入れが必要なのは確かだが、そのコストとメリットをバランスさせた全体コストの計算をしてほしいものだ。